プロが教えるラバーカップの使い方

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ラバーカップ

トイレをはじめとして、排水管、排水パイプのつまりを直すのに大変便利なラバーカップですが、案外その種類や使い方を正しく知っている人は少ないものです。今まで一度も使ったことがない、という人も多いでしょう。ラバーカップの種類や、どんなトラブルに有効か、また使用上の注意点などを解説します。

目次

ラバーカップの基礎知識

それではさっそく、ラバーカップの基本的な部分を押さえていきましょう。

ラバーカップとは

ラバーカップとは、トイレ・お風呂・キッチンなどがつまったときに使用する、配水管・排水パイプの洗浄器具です。「ラバーカップ」は和製英語ですが、正式名称は「通水カップ(英語ではプランジャー)といいます。「スッポン」といえばピンと来る人も多いかもしれません。その他には「スポイト」「スッポン」「ガッポン」「ギュッポン」「吸盤」などさまざまな名称で呼ばれています。

ラバーカップ洋式小

ラバーカップ洋式小

上の写真はごくごく一般的なラバーカップの新品です。柄の部分をハンドル、先端のゴムの部分はカップと呼ぶことが多いです。山崎産業株式会社のラバーカップ洋式の小で、カップ径が14.5cmの万能なサイズです。ハンドルの部分がずっしりしっかりしているので、力を込めて作業する際にも安心です。

ラバーカップの種類

ラバーカップには、実は大きく分けると3種類あります。カップの底が出っ張っているトイレ用、カップの底が出っ張っていない排水口用(キッチン、風呂、形状が合えばトイレも可)、節水型便器の複雑な形状の排水溝にフィットして密着性を高める「ツバ」が付いたトイレ用があります。

ラバーカップ(排水口用)

ラバーカップ先端部(排水口用)

ラバーカップ先端部(排水口用)

例として、上の写真はカップの先端部を押し込んだままの状態で、排水口用の形態です。

ラバーカップ(洋式便器用)

ラバーカップ先端部(洋式便器用)

ラバーカップ先端部(洋式便器用)

次に、上のように先端部を引き出すことができるタイプが最近は主流です。このようにカップの先端部を引き出した状態では、洋式便器に合わせることができるようになります。

ラバーカップ(ツバ付き)

写真がなくて申し訳ないのですが、ツバ付きのラバーカップも売っています。「節水型便器対応」とうたっていることもあります。ツバがあることで便器の穴の部分のが複雑な形でも隙間を埋めることができ、しっかりと圧をかけられる仕組みになっています。

ラバーカップのサイズ

ラバーカップには、特大、大、小などのサイズがあります。排水口のサイズに合ったものを選ぶと作業が効率よくできる一方、サイズの合わないものでは役に立たないこともあり得ますので、あらかじめ排水口のサイズを測って適合するサイズのラバーカップを用意しておきましょう。

とはいえカップの部分はゴムでできているため、力を込めて押し付ければ変形してフィットします。ぴったり合わなくとも問題になることはあまりないですが、穴に対してカップが小さすぎると隙間ができて十分に圧をかけられない可能性はあります。

ラバーカップの入手方法

ラバーカップがどこに売っているか、普段意識しないと目に入らないのでイメージがわかないかもしれませんが、ホームセンターで手軽に購入できます。SEIYUやイオンなどのスーパーにも売っています。また、品質の保証はできないのであまりお勧めはしませんが、100円均一のダイソー等でも取り扱っていますので店舗を覗いてみるとよいかもしれません。

急を要していなければ、amazonや楽天などのインターネット通販で幅広い種類の中から選んで購入することができます。高価なものではないので、排水管・排水パイプがつまる前に適合するラバーカップを用意しておくことをおすすめします。

ラバーカップの値段

ラバーカップはいくらするのかもイメージがないかもしれません。100円均一のダイソーで買えば100円でしょう。今回写真で使っている山崎産業株式会社のラバーカップ洋式小はホームセンターで税込み1,280円で購入したものです。長く使えるものですので、1,000円前後は出してもよいのではと思います。

ラバーカップの使い方(トイレのつまり編)

トイレのつまりをラバーカップで直す手順を解説します。

作業に入る前に

ラバーカップを使うと水流が発生しますが、もしつまりの原因がスマホやライターなどの固形物であった場合、奥に追いやるのは得策ではありません。取り出せなくなったり、便器の中のクランク部分にはまりこんだりして症状が悪化することがあるためです。

特にトイレの場合では、つまりの原因が固形物・落下物ではないと確信できている場合以外には、お湯や薬剤をまずは試してみることをおすすめします。

まずは養生(ようじょう)をする

まず最初に養生をしましょう。養生とは、作業を行う際に他の部分を汚したり壊したりしないためにカバーをかけたりして保護することをいいます。ここでは準備として、水が跳ねてもいいようにビニールや雑巾、新聞紙などを床に敷いておきましょう。

トイレ室内に養生をする

トイレ室内に養生をする

また壁にも養生をすることが大事です。床材は汚れにある程度耐えられるようにできていますが、それに比べて壁紙は水や汚れに強くありません。トイレ用のラバーカップは飛び散りにくく作られていますが、慣れていない方が慌てて作業するとまず汚水が飛び散りますので十分に養生しましょう。

ビニール袋でカバーを作る

ラバーカップの取り扱い説明書にも書かれていたりしますが、大き目のビニール袋の底と側面を切って広げ、中央に穴をあけてそこにラバーカップのハンドルを通します。そしてカップを便器に入れたときに、カバーを広げて便器にかぶせるようにします。こうすることで、便器内から汚水がはねたときにまずこのビニール袋でキャッチすることができます。

水を足す

もし便器内の水が徐々に流れるなどしてカップの上部まで水に浸らない場合は、バケツやヤカンを使って水を足しましょう。

バケツやヤカンでトイレに水を足す

バケツやヤカンでトイレに水を足す

押す、引くを繰り返す

ラバーカップを押すときは、カップ内の空気を全て押し出すイメージでゆっくり押しつけ、引き上げるときに勢いよく力を入れるのがコツです。何度か押して、引いてを繰り返しているうちに、水がスーと引いたら、つまりが解消されたということです。このとき、詰まりの原因となったものが逆流してきたら、便器から取り出して処分しましょう。もう一度流すと、またつまることがあります。

しっかりと穴に当てる

しっかりと穴に当てる

直ったと思っても安易にレバーをまわさない

つまりが解消されたと思っても、すぐにレバーハンドルをまわすのは危険です。もしかしたらつまりがまだ解消しきれていない可能性もあるからです。ハンドルをまわすとトイレ洗浄1回分の水が流れますが、トイレがつまった状態で1回分の洗浄を行うとまず便器から汚水があふれて床が水浸しになります。必ずバケツやヤカンなどで少しずつ水を流し、スムーズに流れるのを確かめてから、ハンドルをまわすようにしましょう。

トイレのつまりが解消したか確認する方法

トイレのつまりが解消して水が流れた場合、完全につまりが解消しているかを確認する必要があります。原因となっていたモノが少し動いて、水の流れる道が少しできたがまだ阻害されている、という状態もあり得るからです。

つまりが完全に解消したかどうかを、目で見て確認できる方法があります。便器の穴の水たまりの水量に異常がないかを確認すればよいのです。便器の水たまりの水量が、普段より多くても少なくてもそれは異常のサインです。

普段の水量を覚えていないかもしれませんが、よく見ると普段の水たまりの水面の跡が、便器の穴の内側に残っていることが多いので確認してみましょう。その跡と同じ水量が保たれていれば、つまりが完全に解消したと判断してよいでしょう。

ラバーカップを少し強引に使う方法(裏技)

通常の手順でラバーカップを使ってもつまりが直らない場合に、少し強引にラバーカップを使う方法を解説します。若干プロ向けの内容なので、一般の方は安易にまねをしない方がよいかもしれません。手元にラバーカップ以外に道具がなく、他に打つ手がなくなってプロを呼ぶ前の最後の抵抗のひとつくらいの位置づけでよいと思います。

効果が見込めるケース

トイレットペーパーや排泄物よりも水に溶けにくく、スマホや猫砂などの固形物よりは水に溶けやすいモノが原因のつまりで効果が見込めます。具体的にはトイレットペーパーの芯やおそうじシートなど、ふやけたり形が変わるがなかなか分解はしない、というものが主な対象になります。

トイレットペーパーをあえて投入する

具体的な方法ですが、まずトイレットペーパーを通常使うより多め手に取り丸めます。少し圧縮させながらソフトボールくらいの大きさにします。便器の穴に丸めたトイレットペーパーの玉を入れます。そしてその上からラバーカップをかぶせ、勢いよく一気に押し込みます。

この方法のは、便器の穴の奥につまっているモノを、あえてトイレットペーパーを使い圧力で押し流すものです。トイレットペーパーはいずれ水に溶けて分解されます。しかし溶けるまでは水を含んで弾力があるため、その弾力を奥に伝えるために利用する、という技です。

ベテランの現場作業員は、ローポンプというラバーカップの強力版を使いますが、通常の使い方でつまりが直らないときににはこの方法を使うことがあります。

ラバーカップの圧力を最大限に生かす方法(裏技その2)

手元のラバーカップを使ってみたものの、なかなか直らないことも当然あります。圧力で抜けていくようなレベルのつまりではそもそもないというケースも当然ありますが、ラバーカップの圧力を十分に発揮できていないことが原因かもしれません。

ボロ布をはちまき状にする

まず、いらなくなったタオルやTシャツなどのボロ布を2枚から3枚用意します。一般的な便器であれば、水の流れていく穴は丸みを帯びた四角い形になっています。それに対しラバーカップの先についている黒いゴムの部分は単純な円形であることがほとんどです。若干四角い穴に丸いゴムを押し当てるため、圧をかけたときにゴムの部分が変形して隙間ができ圧が逃げます。そこで、用意したボロ布を2枚から3枚重ねてねじり鉢巻き状にします。

穴の部分にボロ布を噛ませる

そのボロ布のねじり鉢巻きを、便器の穴とラバーカップの先端の間に噛ませます。この状態でラバーカップを使うと空気の圧力が穴の四隅から逃げにくくなるため、ラバーカップで押し込んだ時の圧力が無駄なく伝わるようになります。手元のラバーカップが便器の穴にフィットしないなど、うまく力が伝わっていない場合は試してみる価値があります。

ラバーカップの使い方(洗面台のつまり編)

洗面台の排水がつまったときのラバーカップを使った直し方を解説します。

なお、洗面台の場合はつまりの原因箇所はほとんどの場合、ヘアーキャッチャーか排水トラップの部分です。よってヘアーキャッチャー、排水トラップをはずしてつまりの原因を取り除くことが多くの場合可能です。しかしヘアーキャッチャーも排水トラップもついていない場合はラバーカップを最初から使うことになります。

養生をする

洗面台に養生をする

洗面台に養生をする

トイレと比べたら飛び散る水は汚れていないかもしれませんが、作業をしているうちに排水管内の汚れが水に混じってくるため、十分に養生をしておいて損はありません。

オーバーフロー口をふさぐ

洗面台にはオーバーフロー口という穴があることがほとんどです。ラバーカップで圧をかけるときに、この穴が開いていると圧が逃げてしまいます。濡らした雑巾などをドライバーなどでオーバーフロー口にねじ込んでふさぎましょう。

オーバーフロー口に雑巾をねじ込む

オーバーフロー口に雑巾をねじ込む

雑巾をねじ込み終えたら、作業がしやすいように雑巾の残りの部分を避けておきましょう。

オーバーフロー口をふさぐ

オーバーフロー口をふさぐ

上の写真のような状態にできたら準備完了です。

水をためる

ラバーカップの先端のゴムの部分が水に浸るように水をためましょう。

押す、引くを繰り返す

洗面台の排水口にしっかりとラバーカップの先端を当て、押す、引くを繰り返します。

洗面台の排水口にラバーカップを当てる

洗面台の排水口にラバーカップを当てる

オーバーフロー口から空気が抜けていないかを確認しながら、しっかりと力を入れて作業しましょう。

押す、引くを繰り返す

押す、引くを繰り返す

ラバーカップの使い方(お風呂のつまり編)

お風呂の排水管・排水パイプのつまりの原因のほとんどは、髪の毛が原因です。軽度のつまりの場合であれば、髪の毛を溶かす効果のある塩素系の排水パイプ洗浄剤を使ってみましょう。その場合、つまりの箇所に水がたまっていると排水パイプ洗浄剤の効果が半減してしまうので、水が引いてしばらく経ってから使うことをおすすめします。

お風呂ではラバーカップが使えないことも

一般的にお風呂場の排水管・排水パイプのつまりの場合には、ラバーカップを使うことは稀です。よく使われるのはワイヤー式パイプクリーナーです。というのも、ラバーカップが効果を発揮するためには、ラバーカップの上まで水がたまっている必要があるからです。洗い場でラバーカップの上まで水をためることがそもそもできない構造のこともあるでしょうし、ためることができたとしても大変です。もし水をためることができる、もしくは結果的に既に水がたまっている、という場合であれば、トイレの場合と同様にして作業しましょう。

トラップの無い排水口では有効

下の写真は築50年近い建物のお風呂の排水口ですが、最近の四角い箱型の排水トラップは設置されていません。下から伸びている排水管の先に、おわん型のふたがされています。このようなタイプの排水口のお風呂であれば、ラバーカップが使えます。お風呂ですので養生の必要はありません。

トラップの無いお風呂の排水口

トラップの無いお風呂の排水口

水をためて押す、引くを繰り返す

ラバーカップのゴムの部分の上まで浸るように水をためます。※写真では水はためていない状態で撮影しています。

排水口にカップを押し当てる

排水口にカップを押し当てる

水がたまったら、押す、引くを繰り返しましょう。

押す、引くを繰り返す

押す、引くを繰り返す

ラバーカップの使い方(台所のつまり編)

台所のシンクの排水管・排水パイプがつまっている場合で、ラバーカップを使用できるのは、シンクの排水管が塩ビパイプの場合です。蛇腹(ジャバラ)ホースで接続されている場合はラバーカップを使うことはできないので注意しましょう。

養生をする

他と同様に、新聞紙や雑巾を使って養生をしましょう。

台所に養生する

台所に養生する

ツーシンクの場合は、サイドシンクの排水口やオーバーフロー口に濡れた雑巾をねじ込むか、布粘着テープ等で塞ぐ必要があります。空気の通り道があるとラバーカップの効果が半減するとともに、水が噴き出す可能性があるためです。

排水口の部品を外す

バスケットや排水トラップの碗など、外せるものは全て外しましょう。

水をためる

ラバーカップの先端のゴム部分が水に浸る程度にシンクに水をためましょう。

排水口にカップを当てる

排水口にカップを当てる

押す、引くを繰り返す

他の箇所と同様に、押す、引くを繰り返しましょう。

押す、引くを繰り返す

押す、引くを繰り返す

つまりが直らない場合の手順

例えばトイレにトイレットペーパーを大量に流してトイレがつまったような場合、ラバーカップを使用すれば多くの場合2,3分もあればつまりは解消します。トイレットペーパーに限らず、ラバーカップが効果を発揮できる症状であれば、数分のうちにつまりが解消できることがほとんどです。

逆にラバーカップを使って数分間作業を行ってもつまりが直らない場合は、素人では手が出せない状況の可能性が高いです。家庭用のラバーカップで出せる圧では全く足りない状況か、圧をかけても解消できるトラブルではない可能性が高いためです。もしラバーカップを使ってもつまりが解消しない場合は、以下の順序で対処法を検討しましょう。

まとめ

意外と正しく知られていないラバーカップの使い方を解説しました。排水管・排水パイプがつまることはそうそう無いことですが、万が一つまった時に手元にラバーカップがあると心強いものです。もし用意が無い場合は高価なものではないので購入しておくことをお勧めします。また、何より排水管・排水パイプをつまらせないように常日頃から使用方法に注意し、定期的にメンテナンスを行うことが重要です。

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